「日本語教育能力検定試験」独学で0から受かるには(後編)

勉強

筆者は日本語教育について、ほとんど知識を持っていませんでした。知識0からのスタートです。スクール等はお金がかかるので、全て独学で勉強。試験問題の解き方ではなく、合格するまでに行ったことを書いていきます。今回は前回の続きです。

出会い

勉強を始めて1年目くらいまでは、本に付属された解説を見て答え合わせをしていました。さらに過去問題集に至っては、正解のみで解説は載っていません。その後、Webで「はま先生」(日本語教育能力検定試験に関する過去問の解説等を記載)のページを発見し、それから一層勉強が楽しくなりました。

本の解説文は堅苦しくて、読み進めるのが少々苦になる時がありました。しかし、はま先生の解説に出会ってからは、楽しみながら答え合わせができました。過去問の順番に沿って、初心者にも理解しやすいよう解説がされています。それだけではなく、「正解に導くコツ」「問題の難易度」などにも触れていて、勉強が捗りました。

記述対策

マークシート式の問題に自信があれば、記述試験を捨てることも可能な記述試験です。しかし、0から勉強を始めた筆者は、同時に記述試験対策も行いました。
まずは記述試験の概要を、これまでに紹介した赤本などで確認。それから、模擬試験をいくつか実際にやってみました。そこまで多くの数をこなした訳ではありません。最大でも30回分くらいでした。

試験年の6月頃から週に1回程度の頻度でやりました。試験前の10日間は、毎日1回分の模擬試験を実践。記述対策は、朝の勉強とは別に時間を取りました。それでも、1日プラス40分ほど。また、その際には「改訂版 日本語教育能力検定試験に合格するための記述式問題40」も使用しました。この本は図書館で借りましたが、記述式問題に焦点を絞っています。

日本語教育能力検定試験だけでなく、同様に作文があるスペイン語の試験等にも役立つように感じました。言葉は違いますが、文章の構成などは通じるものがあります。

試験直前

試験直前でも記述対策の時間を増やしただけで、その他は変更することなく勉強を続けました。この時期、記述試験を除き、不思議と焦りは感じませんでした。毎日の勉強の蓄積がそうさせたのだと思います。

試験本番

いよいよ試験本番です。ここでは、合格した時の試験について主にお話します。

いつも通りにやるのみです。それでも、試験前日は緊張のせいか1~2時間しか眠れませんでした。各試験の前に少しだけチョコレートを食べ、集中力を高めました。各試験が終わるとトイレへ行くか、教室を出て軽く体を動かしていました。
試験ⅠとⅡを挟んで、昼休憩となります。ご飯を教室で軽く済ます(食べ過ぎないように気を付けました)と、構内をウォーキング。教室を離れてリラックスです。私は毎回、東京大学で受験しました。この時期、多くの銀杏が道に落ちているため注意です。

この試験、女性の方が少々不利な気がします。休憩をトイレの時間に多く取られるからです。特に受験会場であった東京大学は、女性トイレが少ないように感じます。トイレ前にはいつも長い列。
さらに、受験者は圧倒的に女性が多いため、もう少し何とかならないものかともやもやしていました。具体的には「試験会場を変更する」「臨時でトイレの数を増やす」など、運営上の改善の余地はあると思います。

筆記用具について
毎日の勉強で使っていた筆記具を、敢えて試験でも使いました。試験で使う筆記用具には、日ごろから慣れておいた方が良いと考えたためです。
マークシートはHBの鉛筆(マークしやすいように、少し先端を丸くしたもの)、記述試験はHBのシャープペンシルをそれぞれ使用。時計も普段から使っているものを用いました。

試験Ⅰ 10:10~11:40

日本語教育能力に関する幅広い知識が問われます。マークシートでの選択式なのですが、やはり時間が不足。大問12くらいからは、その説明や内容を読むための時間に余裕がなくなりました。そのため、(大問下にある)問題の文章のみを読んで回答。これが、予想以上に正解率が高かったので驚きました。もし時間が足りない場合(おすすめはしませんが)は、一つの方法として使えるかもしれません。
もともと文法に関する問題が弱く、一番力を入れました。勉強を進めるにつれて、点数が一番上がった部分でもあります。

試験Ⅱ 13:15~13:45

聴解を含んだ、音声に関する知識を問う問題です。音声と共に問題が進んで行くので、時間の心配はほとんどありません。
私は大問1の「アクセント」や大問2の「発音上の誤りの指摘」は幸い得意な方で、ほとんど勉強しませんでした。そのため、それ以外の項目に大きく時間を割きました。過去問を繰り返すうちに、口腔断面図の見方、調音点や調音法などの知識、問題の解き方などが、感覚として身についていきます。

試験Ⅲ 14:40~16:40

日本語教育能力に関する知識の応用編。最後の大問17に記述試験が待っています。

本番では、まず記述試験から始めました。順番に問題を解いていって記述の時間が足りない場合、焦って集中できないような気がしたからです。30分以内を目安に、小論文を書き上げました。その後、最初の大問1に戻り順に解いていきます。試験Ⅲは、そこまで時間が足りなくなることはなかったです。

令和5年度の記述試験は、4つのキーワードが提示されていました。それらを関連付けて、自身の小論文に盛り込みます。いつもはどこに入れようかと、私を悩ますキーワードたち。けれども、この年の記述は違いました。逆に文章を書く道しるべとなり、完成に一役買ってくれました。しかも、単語をどこに入れようかと迷うことなく、自然と文章の中に落とし込めました。

後日行った自己採点では、記述試験の点数が合否を左右する結果に…。そのことから、「ある程度の点数は取れていたのではないか」と推測します。なお、試験結果に点数は記載されていません。

まとめ

独学で合格を目指したことで、「本の購入」や「受験料」以外はお金をかけていません。少しずつ続けることが、大きな成果に繋がります。最終的に、毎日の勉強の積み重ねが、試験合格における一番の要素だったと感じます。
皆さまの合格を心から願っています。




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