「日本語教育能力検定試験」独学で0から受かるには(前編)

勉強

日本語教育について、勉強を始める前は知識をほとんど持っていませんでした。知識0からのスタートです。スクール等はお金がかかるので、全て独学で勉強。ここでは試験問題の解き方ではなく、合格するまでに行ったことを書いていきます。




なぜ日本語教育能力検定試験を受けることにしたのか

私は海外の人と接する機会がやや多かったため、日本語教育能力検定に興味を持ちました。日本語を教えられるようになりたいという思いから、受験を決意。
日本語教師は給料や待遇面など、決して恵まれているとは言えません。だからこそ、モチベーションを維持する上でも、その他に何か「動機」のようなものがある方が良い気がします。

日本語教師になるには

  • 大学で日本語教育を専攻する
  • 日本語教師養成課程420時間以上のコースを修了する
  • 日本語教育能力検定試験に合格する

当時は、以上の3つの方法がありました。そのため、なるべく出費を抑えて自分のペースで資格取得を目指せる、日本語教育能力検定試験を選びました。

ところが、2024年秋から新たに「登録日本語教員」という国家資格ができるようです。それ故に、この日本語教育能力検定の資格が役に立つのか疑問が残ります。登録日本語教員にこの資格が活かされる1(例:筆記試験等の免除)ならば、まだ気持ちも収まります。しかし、何も優遇を得られないとなると…。もちろん、日本語教育能力検定を受験したことで得られた知識は、豊富にあります。

このように、日本語教育という分野は現在ちょうど過渡期にあります。今後の動向により注視する必要がありそうです。

それを踏まえると私が取得した資格は、ほとんど意味をなさないものになる可能性もあります。ただ、今回の「0から始めた独学勉強法」は、他の勉強にも役に立つものだと思います。小型船舶1級免許やスペイン語2(DELEやスペイン語技能検定)の試験でも、同様の手法を使っています。

合格までの日程

2021年6月 勉強をスタート
2022年10月 1回目の受験
2022年10月 2回目の受験
2023年10月 3回目の受験→ 合格

1回目の受験は、どのような試験なのか確認した程度で、受かるとは思っていませんでした。何しろ基礎知識がなかったので、来年の試験に向けての様子見です。そして、2回目の試験での合格に狙いを定めました。勉強を進めていく中でも、受かるのではないかと思っていました。ところが勉強が不足していたのか、本番に弱いのか…、想像したよりも遥かに点数を取れませんでした。そして、3回目。焦りはなかったものの、2回目の試験時のようになぜか自信が持てなかったのですが、無事合格することができました。

それでは、ここからその「道のり」を記していきます。

勉強スタート

まずは、日本語教育能力検定試験でおなじみの赤本「日本語教育教科書 日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド」を買いました。約570ページと分厚い本でしたが、紙媒体で購入。幅広い分野から出題される試験内容を、隈なく網羅しています。試験会場に行くと、多くの受験者がこの本を手にしていました。

この完全攻略ガイドは、重要な項目の順番に並んでいます。最初から飛ばすことなく、じっくりと読み込んでいきました。理解するまでは先に進めず、内容をしっかりと頭に入れていく感じです。

勉強時間

勉強する時間帯は、「朝食を食べる前」を選びました。人にもよりますが、朝だとより集中力できるからです。また、1日に読むページ数の目安(例えば10ページずつ)を決めていました。時間内に目安のページに到達しなくても、読めなかった分は「また明日」という具合。無理せず少しずつがポイントです。
1日の勉強時間は30分~50分。面白いことに、この時間は勉強を進めるにつれて、短くなっていきました。初めは分からない単語や内容の確認に、多くの時間を費やしていました。それが徐々に縮小されていった形です。

基本的に、以上の繰り返しを毎日淡々と続けました。本→過去問題にやることが移っても、同様の方法を使っています。ものすごく勉強しているという感覚はなく、ほとんど負担はありませんでした。モチベーションを維持するにも、これを続けるだけなので苦になりません。

ただ、1日の勉強時間を少なく見積もって30分としても、それを1年間で300日(週に1~2回くらいは勉強を休んでいました)行ったら、150時間になります。日々の積み重ねは、思った以上に武器となります。それでも、2回目の試験で合格するためには、2倍の時間(1日1時間程度)をかけた方が良かったのかもしれません。

2冊目と3冊目の本を購入

2冊目は「日本語教育能力検定試験 合格するための本」を中古で購入しました。こちらの本は、全体の項目を網羅はしていますが、主に重要な部分を取り上げて記載しています。赤本を復習する感覚で、最初から最後まで丁寧に読みました。
3冊目は「日本語教育教科書 日本語教育能力検定試験 合格問題集」を購入。これまでは、一通り知識を詰め込んできました。そして、いよいよ過去問をひたすら解いていくこととなります。「1日に大問2つずつ」というペースで進めました。

この日本語教育能力検定試験、「試験Ⅰ」は特に時間が足りなくなります。1つの大問を5分、大問下の各問題を1分で解けるよう、時間を意識しながら勉強。このように対策をしても、本番ではより緊張感が増すせいか、どうしても時間が足りませんでした。いずれにしても、早く問題を解けるようになることがこの試験の鍵になってきます。

過去問ループの始まり

その後、「日本語教育能力検定試験 試験問題」のループが始まります。この本は、年度ごとに過去の問題がまとめられています。私は「令和元年度」「令和2年度」「平成23年度」の本は買いましたが、それ以外は市の図書館から借りました(借りられている場合はその年度を飛ばします)。
最新年度の問題集から始め、それを終えると、その前の年といったような順番です。

例:令和3年度→ 令和2年度→ 令和元年度…→ 平成23年度→ 令和3年度へ戻る

なお、「平成25年度」「平成24年度」は図書館に在庫がありませんでした。「平成23年度」も取り扱いがなかったのですが、中古で購入。最終的には、これを3巡繰り返していました。

1巡目から2巡目にかけては、大幅に点数が上がったことを実感。ダイエットみたいなもので、それ以降の点数の上がり方は緩やかでした。(後編へ続く)

過去問を解く際は、本番と同様のマークシートや記述用紙を印刷して使いました。過去問題集の本などから入手できます。

  1. 該当するいずれかの機関において、1年以上日本語教育課程を担当している場合等の条件を満たせば、日本語教育能力検定取得により、経過措置の対象になります。 ↩︎
  2. スペイン語に関しては、全て独学ではありません。 ↩︎

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